伊勢湾海運株式会社

ISEWAN PLAZAいせわん・ぷらざ
VOL.112006/01/10

愛・地球博 輸送プロジェクト

2005年3月25日から半年間にわたって開催された日本国際博覧会 『愛・地球博』。弊社は「推奨優良事業者」として、主に外国館の展示品の輸送に携わってまいりました。 ここで開催前の『舞台裏』のエピソードをご紹介いたします。

海外推進チーム

梱包資材解体作業の様子
梱包資材解体作業の様子

思い起こせば、寒さに震えていた12月、1月頃の万博会場は、グローバルコモンの一部はまだ建設途中で「本当にこの状態で3月末の開催に間に合うのだろうか?」といった雰囲気で、当然パビリオンの内外装建築を開始しているところは稀でした。 そんな中、ようやくマレーシアから本船”MOL LIBERTY”が2月2日に名古屋港到着し、当社が取り扱う万博展示場搬入作業が始まりました。

事前にコンテナ内部の写真を確認しており内容は既に把握していたのですが、いざデバン、内容点検が始まってみると、あまりの貨物の細かさ(対照的にINVICE,P/L内容は大雑把)に当初は戸惑いながら作業を進めていました。 しかし、回数を重ねる毎にデバン作業員、我々も手馴れてき、またパビリオン建築作業員(マレーシア人)達の陽気さ(南国の気質なのでしょうか)も手伝い、非常に楽しい雰囲気の中でスムーズに作業を進めることができました。 そして「何、このガラクタ?」と思っていたものが、一つのパビリオンに生まれ変わったとき、そこにはえも言われぬ感動がありました。

中国館の紫檀家具
中国館の紫檀家具

万博作業にすっかり慣れた頃、中国館二階フロアに展示すべく紫檀家具が、中国から本船”GRATE PRIDE”にて3月7日に名古屋港に到着しました。紫檀家具は、自重が重く、その上にさらに厚い木材の専用箱に梱包されたものでした。エレベーターは使えない、床を傷つけるからと台車も使えないと厳しい条件の中、屈強な会場作業指定業者の作業員たちは、数人がかりで梱包箱ごと持ち上げ、長いスロープを登り、悲鳴をあげながらも二階フロアに運び込んだ汗と涙の成果と伺いました。(作業員の皆さん、西賀課長代理、その時、小生はマレーシア館の作業をしており、皆さんの勇姿が見られず残念でした。)

さて、「兵馬俑」「国宝」と聞き皆様は何を想像されますか。小生はあの立派な兵士を思い浮かべました。「兵馬俑をAIRで輸送するので伊勢湾さんよろしくお願いします。」と鞠副館長よりご依頼を賜った時、あの兵士を取り扱いする風景を想像し心躍りました。いよいよ作業のとき副館長の「国宝ですから・・・。」という喧騒をよそに、トラックからの荷卸し、指定場所への移動、仮置きに至るまで、常に貨物は水平を守り確実な仕事を成し遂げました。梱包後その正体を知ったわけですが、中国館へ行かれたら是非その「国宝」を探してみてください。

また、今回の愛知万博では、メインテーマに「自然の叡智」、サブテーマの一つに「循環型社会」を掲げています。当社もパビリオンで発生した輸入梱包資材、内外装建築資材等の廃棄物の回収に参加しました。裏話になってしまいますが、開催前のパビリオン裏の様子はとても「自然の叡智」と呼べるものではありませんでした。また廃棄物の扱いは、各国の環境意識が見て取れ、違った角度から万博を堪能できました。

マレーシア館のダンサーチーム衣装、モロッコ館のジャムと紅茶、中国館販売店の可愛い中国娘とデバン作業員等々、開幕前の万博会場では様々な場面に遭遇し、まだまだ、エピソードは尽きませんが、残念ながら紙面の都合上ここで筆をおろさせて頂きます。

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